整形外科リハビリ奮闘記

理学療法士として整形外科疾患でのリハビリテーションについて、患者様やセラピストの悩みを解決していきます!!!!

骨粗鬆症について

こんにちは。AGeeeeです。

GW明けましたが5月病があまり抜けません。みなさんはいかがですか。

 

先週の日曜は大阪まで研修会に行きました。

 

骨粗鬆症について講習を聞いてきたのでお伝えできればと思います。

 

 

最近では3人に1人が運動器の疾患で介護が必要となっています。そこで、骨折リスクを高くする骨粗鬆症について知識を深めて頂ければと思います。

 

骨粗鬆症とは

 骨盤強度の低下で骨折のリスクが高くなる骨の障害

 

骨強度=骨密度(70%)+骨質(30%)

骨密度の方が強度に大きく関係しています。

立物に例えると骨密度がセメントで骨質が鉄筋です。鉄筋が錆びたり、セメントの量が少なると立物が倒れてたり、潰れてしまうのとイメージです。

 

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骨密度は骨量検査で測定する事ができます。

骨粗鬆症であると大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫になるリスクが高くなります。

腰椎や大腿骨近位部の骨量にはDXA(デキサ)が最も正確に骨量を測定できる機械です。

 踵で測定する方法はスクリーニングのため正確な骨量を測定する事はできません。

 

骨密度の数値はYAM値を見ていきます。

YAM値100%=20から44歳の骨密度

数値が高ければ骨密度が多く、低いほど骨粗鬆症が重度である判断します。

 

骨粗鬆症の薬物開始の基準

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椎体骨折以外や大腿骨近位部骨折がある方でYAM値が80%未満の方

 

椎体骨折以外や大腿骨近位部骨折がない方で骨密度がYAM値70%以下の方

 

椎体骨折以外や大腿骨近位部骨折がない方でYAM値70%以上80%未満の方

で大腿骨近位部骨折の家族歴がある方など

 

が開始基準に当てはまります。

  

注意点

変形症などで腰椎は高値になる傾向があります。そのため、YAM値が高く出易い為注意が必要です。

腰椎と股関節で数値の低い方を骨密度の指標にした方が良いです。

 

椎骨の圧迫骨折の有無を検査する簡単な方法

Wall-occiput test

Rid-pelvis distance 

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骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015より

 

 

骨粗鬆症の治療

 

3本柱があります。薬物療法運動療法、食事療法です。

今回は自分で管理ができる運動療法、食事療法について書いていきます。

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薬が最も効果高いです。しかし、運動や食事を改善しないと効果はありません。

薬をトマトの苗、運動を土、食事を水に例えると

 

高いトマトの苗を買っても、栄養分の少ない土地に植えたり、水やりをしなければトマトは育たないのと同じ考え方になります。

 

 

 

 

運動療法

 

大腿骨近位部の骨密度上昇の有効な運動

 

 

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効果ありとなしの運動の違いは

繰り返して骨への荷重負荷の刺激が入る運動かどうかです。

片脚立位運動は静止して荷重負荷の動きが少ない為効果なしと判断します。

 

歩行は一日8000歩ぐらい歩くと効果があると言われいます。いつもより、10分多く歩いたりすると良いです。

 

荷重運動

 

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 荷重運動で骨に刺激を与えると良いです。 

 

背筋運動

椎体骨折や加齢により胸椎の後弯化が進むため背筋の運動は効果的です。

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腹筋運動は後弯を悪化させる可能性がある為脊柱の動きを伴わない、頭上げ、腹式呼吸などが良いです。

 

食事療法

骨に関する栄養素も3本柱があります。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKが重要となります。

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カルシウム

骨の主要材料です。

日本人の一日カルシウム摂取量は500mgであり、一日最低800mg必要であり、カルシウム摂取量が足りていない方が殆どです。

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牛乳や魚がやはりおすすめです。小学校、中学校で牛乳が出るのはやはりカルシウム摂取をとるだと考えます。

ビタミンD

Caを腸に吸収する働きがあります。日光を浴びると皮膚で作られます。

日光浴の時間は夏場は木陰で30分、冬場は日向で1時間するとよいです。

日光浴の注意点

日焼け止めを塗ると効果ありません。手の甲はシミが出来難い為そこだけでもよいです。

ガラス越しでも効果はありません。

 

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ビタミンDを多く含む食品はサケがおススメです。

ビタミンK

Caを骨に運ぶ働きがあります。

高齢者では血中のビタミンK濃度が低下しています。血中ビタミンK濃度と骨密度には正の相関があります。

ビタミンKの摂取量が足りていない可能性が有ります。チェック表でビタミンKが足りているか、自己チェックしてみてください。

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ビタミンKを多く含む食品のおススメは納豆になります。

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ビタミンKの摂取は納豆がおススメです。

 

本日も最後までご覧いただきありがとうございます。

骨粗鬆症について少しでもご理解いただけたら嬉しいです。骨粗鬆症の検診率は最も多い県で14%であり、骨粗鬆症と自覚がない方が殆どです。

まず、お近くの骨密度を測定できる病院や整形外科クリニックに受診しご自身の骨密度を知る事が第一歩ではないでしょうか。