整形外科リハビリ奮闘記

理学療法士として整形外科疾患でのリハビリテーションについて、患者様やセラピストの悩みを解決していきます!!!!

Knee Bent Walkについて


こんにちはAGeeeeです。昨年の六月に投稿しようとしてできていなかった為久しぶりに投稿していきます。

 

 

今回はACL損傷で保存療法で受傷後3ヶ月経過している方と再建術後6ヶ月後の方などKBWを指導する事が重なった為KBWについて書きたいと思います。

 

 

KBWとは

knee Bent Walkは直訳すると膝を曲げて歩く動作です。

やり方としては、肩幅に足を広げます。

膝を曲げた状態でハーフスクワット程度の姿勢となります。スポーツでいう、構えの姿勢をとります。構えの姿勢はどの方向にでも瞬時に動ける姿勢です。

その動作の状態で歩きます。この動作を速くしていくとランニング動作になります。

KBWはランニングの準備段階の運動で使用しています。

 

前十字靭帯損傷やシンスプリント、足関節捻挫などのリハビリで良く耳にするかと思います。

 

実施の時期

KBWはACLの再建術後3ヶ月程度前後から開始となりますが医師に確認する必要があると考えます。

この時期は再建靭帯の強度は非常に弱い時期で再断裂や緩みを生じやすい時期である為注意が必要です。

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http://www.heartful-health.or.jp/shimadahp/manabu/acl-reha.pdf

 

ACL損傷の場合は受傷後の一概にはどの時期からやるべきは様々な事を考慮し、医師に確認して実施した方が良いと考えます。膝の不安定性、筋力、ランジ動作の膝安定性 などを評価した上で実施すべきと考えます。

 

ランジ動作でknee -inせず(膝が足よりも内側に入らず)に動作できている場合にKBWを実施しています。

ランジ動作の繰り返しがKBWとなり、KBWを速く行うとランニング動作となります。

 

動作観察のポイント

ランニングの相

 

 

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                 整形外科運動療法ナビデーション下肢p224より

KBWでの運動の相

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                  整形外科運動療法ナビデーション下肢p225より

 左側の赤丸:フットストライク

真ん中の赤丸:ミッドサポート

右側の赤丸:テイクオフ

 

フットストライク

着地の衝撃をやわらかく吸収できているかを観察します。

①接地時の音が良いか。

 ドンッという音よりもペタッというような柔らかい音で接地できているか。

②接地時に踵骨が回外、回内するか。

③ミッドサポートになる前に過度に内側縦アーチ(土踏まず)が潰れるか=足部過回内、ハイアーチ小指側に足関節が向く=回外しているか

足関節からの影響でknee in&toe outしている場合は足部の運動やインソールでknee in&toe outが改善するかもしれません。

 

knee in&toe outしていないか(足部の示趾と膝の向きが同じ方向をむいているか)

 

ミッドサポート

①足趾を過屈曲(指が曲がらず)に下腿前傾できているか。

 足指が曲がると長母趾屈筋、長趾屈筋が働き、足関節底屈方向に力が働く為足関節の背屈を制限します。

knee in&toe outしていないか(足部の示趾と膝の向きが同じ方向をむいている)

 内側広筋や中臀筋後部線維、大臀筋の筋力低下があると膝が内側に入り易くなります。

 

テイクオフ

過剰な足関節底屈(足裏で押す)せずに、股関節伸展(脚全体を後ろに伸ばす)し、MP関節(足指の付け根)に力を伝えるように地面を蹴る。歩きもランニングも最後は母指球で蹴りだすのが正常な動き蹴りだしになる為母指球側で地面を押す事がポイントになります。

 

①蹴りだす際にknee -in(膝が内側に入っていないか)していないか。

 

②母指球で蹴りだせているか

 踵が内側に入って、小指側で蹴っていないか。

 

余裕ができたら以下の事も意識できるように伝えています。

①手の振りも意識してください。

 ランニング動作の前段階になる為下肢と上肢の連動した動きも獲得していきます。

右脚出す際は右手を後方に引き、左手を前方に出す。

左脚を出す際左手を後方に引き、右手を前方にです。引く手を意識すると広背筋に力が入るため、猫背予防となり体幹のアライメント良くなる為意識するように伝えています。

②股関節から頭部からの線と下腿の前傾線が平行となっているか

 息の呼気を意識して腹部のインナーマッスルを働き易くする事で猫背予防をします。

猫背になると骨盤後傾し、股関節での衝撃吸収や股関節伸展がやり難くなってしまいます。

 

本日もご覧いただきありがとうございます。

股関節のストレッチ方法

こんにちは、AGeeeeです。

 

投稿が遅くなりました。今回は私が実践しているストレッチをご紹介します。

股関節が硬くなる股関節の上側にある腰、下側にある膝、足に影響で出ます。股関節を柔らかくしておくと、腰痛や膝痛が軽減するかもしれません。

 

 

股関節の前面のストレッチ

 股関節の前面か硬くなると股関節が曲がり、立位や姿勢で脚全体が曲がってしまいます。

腸腰筋

この筋肉が硬くなると股関節が曲がり、反り腰になり易いです。

 

ストレッチ方法

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伸ばす脚は左脚です。 

伸ばしたい脚を後ろに引きます。伸ばしたい脚側の手を挙げ、反対側に体を傾けながら、右股関節を曲げていきます。股関節の前面にストレッチ感があれば良いです。

 

大腿直筋

大腿直筋が硬くなると反り腰になり易いです。

 

ストレッチ方法

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反対側の脚(下側の脚)を曲げる事で骨盤を固定します。

伸ばしたい脚(上側の脚)と床が平行になるように脚を後ろに伸ばしていきます。膝は曲げられる範囲まで曲げていきます。大腿部が上に上がらないように注意してください。大腿直筋が緩んでしまうからです。手が届かない方はタオルを使ってみてください。

 

股関節後面のストレッチ

股関節の後面の筋肉が硬くなると骨盤が後傾し、猫背になり易いです。

 

大臀筋

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仰向けで伸ばす側の脚を上にして脚を組みます。その状態で組んだ下側の脚で曲げていきます。組んだ脚のお尻が伸びていれば大臀筋が伸びています。

 

 

ハムストリングス

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腿の後を手で支えて、膝を固定します。膝を曲げた状態から伸ばします。

腿の後ろにストレッチ感があれば良いです。

 

 本日もご覧頂きありがとうございます。

 今後は臨床現場での悩んでいる事などを書いていこうと思います。

 

 

中臀筋の筋力セルフチェック法など

こんにちは、AGeeeeです。

股関節の筋力を始め沢山のセルフチェックできる項目を書いたのでぜひ参考にして頂ければと思います。

 

 

 

はじめに

前回の投稿の続きで中臀筋の筋力のセルフチェック方法をご紹介します。更に股関節、膝関節の硬さのセルフチェック法をご紹介していきます。

 

筋力評価について

理学療法士徒手筋力テスト(MMT:manual muscle test)で筋力を測定します。

 6段階評価でなります。

 

5が最も筋力が良く、0に近づくにつれて筋力低下しています。

 

3以上の段階で+やーと表現する事があります。+は上の段階に近い筋力、-は下の段階に近い筋力という表現になります。

例えば筋力が5よりの4であれば4+と表現します。

 

 この評価は検査者の主観で判定するため、理学療法士で段階の抵抗をきめて徒手抵抗をかける必要があります。

 

5 normal 

強い抵抗を加えても、運動域全体にわたって動かせる

 

4 good 

抵抗を加えても、運動域全体にわったて動かせる

 

3 fair        

抵抗を加えなければ重力に抗して、運動域全体にわたって動かせる

 

2 poor  

  重力を除去すれば、運動域全体にわたって動かせる

 

1 trace  

筋の収縮がわずかに確認されるだけで、関節運動は起こらない

 

0 zero 

筋の収縮は全く見られない

 

まず3 fairの段階の評価が大切になります。それが前回紹介した運動に近いです。

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筋力測定する前に運動域を確認する為にどれぐらい脚が上がるか確認してください。

 

代償動作について注意が必要です。

高く上げようとすると骨盤や体幹を曲げて代償しやすいです。そのため、骨盤、体幹が動かない程度で脚が上がる範囲を確認してください。

 

これができれば4、5段階の評価に移行します。4、5段階の方法は3段階の方法に検査者が抵抗を加えて脚を上げた状態で保てるか確認します。しかし、検査者が必要な場合では自分一人では確認できません。そこで、姿勢や歩きを確認して、中臀筋の筋力があるかどうか確認します。

 

片脚立ちの姿勢

片脚立ちの姿勢を確認します。

鏡がある方は鏡の前に立って確認してみてください。

筋力に問題がない方は左片脚立ちの姿勢を後ろから見ると左足、左股関節、左肩が一直線上にあります(図a)。

 

 

 

 

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 関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーションP42引用

 

中臀筋の筋力低下がある方

トレンデレンブルグ徴候デュシェンヌ現象です。その二つの特徴や現象は歩きの中で認められる現象です。自分で確認しやすいように歩きの同じ時期である片足で支える時に認められる現象である為片脚立ちで確認します。

 

トレンデレンブルグ徴候

歩行の片脚立ちの時に支えている脚の反対側に骨盤が傾く場合が陽性です(図b)。陽性の方は股関節の外転筋力の低下があると考えます。

デュシェンヌ現象

 片脚立ちの際に支えている足の反対側に骨盤が傾くのを予防するために、代償的に体幹を支えている脚側に傾けて平衡を保とうとする現象です(図c)。

 

デュシェンヌ現象の場合は中臀筋筋力以外に

痛み、股関節の内転筋の可動域制限、脚長差、股関節の骨形態異常による要因なども関与するため、筋力以外の要因が影響していないか確認が必要です。

 脚長差がある場合は短い脚、股関節の内転制限がある脚の方向に体幹が傾きます。

股関節内転制限がある場合はトレンデレンブルグ徴候は出現せず、必ずデュシェンヌ現象が出現します。

 

歩行になると下図の写真のような歩行になります。

右脚が支持している筋力低下している脚になります。

トレンデレンブルグ歩行(左図) 

デュシェンヌ歩行(右図)

f:id:AGeee:20190622191723j:plain関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーションP27引用

 

脚長差の確認方法

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骨盤(上前腸骨棘)の位置を左右対象にした状態で足を延ばし、内くるぶしを合わせます。つま先が真っ直ぐ天井をむくようにします。

その状態で踵の位置が左右差を確認します。

判定方法

左右対象→脚長差なし

どちらか踵の位置が短い→脚長差あり

上前腸骨棘とは

 

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運動療法のための機能解剖学的触診技術 改定第2版p2,6引用

上前腸骨棘(anterior superior iliac spine:ASIS )とは骨盤の前方に突出した骨隆起の事です。手掌で大まかに位置を探します。

 

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運動療法のための機能解剖学的触診技術 改定第2版p7引用

 

骨盤の下側から触ると突出した突起が上前腸骨棘になります。ちなみに、上前腸骨棘から3横指下に下がった所が下前腸骨棘(anterior inferior iliac spine:AIIS )といいます。

アリス徴候

 アリス徴候を確認する事で股関節由来の脚長差があるか確認します。

 この検査は先天性股関節脱臼の有無を検査する方法です。

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目でみる運動機能検査法P210引用

仰向けで両足の位置を左右対象にして膝を90度に曲げます。そこで膝の高さを確認します。

 

膝の高さが違う→陽性(脚長差あり)⇒低い脚の股関節に問題あり

膝の高さに左右なし→陰性(脚長差なし)

 

脚長差がある場合は脚長差の原因を確認していきます。

①骨盤の位置が正しく合っているか確認してください。

骨盤の位置が左右対象でないと脚長差が生じてしまいます。

 ②脚長差は筋肉の硬さで膝や股関節が伸びくくなっている場合が考えられます。

膝関節の硬さチェック 

①膝下と床の間に指が何本入るか。

②入る本数に左右差がないかを確認します。

 

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リモコンが膝下に簡単に入る方は膝関節が硬いと判断できます。

リモコンが膝下にスーッと入ってしまう場合は要注意です。

膝下が2cm以上床から浮いている状態です。

さらに危ないのは、500mLのペットボトルが入る場合は膝下が5cm以上床から浮いており、危険度MAXです。

 

私は指2横指(2cmくらい)膝下に空間があり、リモコンも入り、膝関節が硬い状態でした。膝に痛みのない方でも結構膝関節が硬い方は多くいます。

写真のとおり、骨盤が後傾してしまう為膝関節の筋肉の硬さが有ります。

 

O脚の左右差セルフチェック法

O脚の程度が左右差があると脚長差の原因となります。O脚も著明に左右差がなければ足関節、股関節、膝関節の関節の遊びで緩衝され、脚長差を生じないと考えます。 

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左右の上前腸骨棘の中点と内くるぶしを結んだ線

膝のお皿の下側までの距離に左右差があるかどうかでO脚の程度に左右差があるか確認します。見にくいですが、青線と緑線に左右差がないか確認します

 

私の場合は若干緑線の方が長く見える為右側の方がO脚ですが脚長差は有りませんでした。

立つと荷重がかかるとO脚が強くなる可能性が高い為立った姿勢での隙間が変わるか確認が必要です。

 

この方法は私が考えた方法である為正しいかどうかは分かりません。どの程度が正常な距離か分かりませんが左右差があれば脚長差に関係している可能性が有ります。

 

私も右脚がO脚なんだと知る良い機会になりました。私は運動後に右膝が痛くなる事がありますがO脚が原因かもしれません。

 

股関節が硬い場合の確認方法

股関節と膝関節も伸びなくなっている可能性があります。どちらに制限があるか確認する方法はトーマステストで確認します。

 

トーマステスト

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確認する脚と反対側の脚(右脚)を抱えます。その時の確認側(左脚)の膝下が床からより離れるかどうか確認します。

 

トーマステスト陽性

膝下の隙間が広がる場合は股関節が硬いと判断します。

 

 トーマステスト陰性

抱えても膝下の空間が変わらなければ膝だけ変わらない場合は

股関節は問題なく膝関節が硬いと判断します。 

 

股関節内転可動域の確認

歩行の時に近い状態である。歩く時に必要な股関節の内転角度は約4°必要とされています。私達理学療法士は内転可動域は仰向けの状態で測定します。しかし、立位では外転筋の筋内圧が臥床して確認した内転角度より低下すると考えられます。

 

仰向けでの股関節内転角度

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骨盤を固定する為に左脚を組む。   右脚を交差させるように閉じる(内転する)。

内転角度は両側の上前腸骨棘を結んだ線=赤線

赤線に垂直な青線と太ももの線とのなす角=黒の角度を見ます。

 

立位での股関節内転角度

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上前腸骨棘を手を当て、左脚を前方に出し、骨盤を固定します。

その後、右脚を交差させるように閉じます。仰向けの時の角度と同様の方法で内転角度をみます。

 

角度計を使わないと角度があるかどうか実際には分かりませんが、スクリーニングとして閉じる程度は確認できます。

骨盤が動くと股関節だけの内転角度が分かりません。そのため、上前腸骨棘を触り骨盤が動いていないか指で確認しながら足を交差させていきます。

 私の指標としては交差した後ろ脚が前脚の後まで行けば股関節内転4度以上あると考えます。

 

おわりに

中臀筋の筋力を始め、股関節や膝関節の硬さなどのセルフチェックできましたでしょうか。自分の身体について知る事は治療の第一歩ではないでしょうか。私も今回の記事を書く中で改めて自分の体の硬さを知る事ができました。身体の硬さを解消するためにお風呂上がりにストレッチは欠かさずやっています。年齢を重ねると柔軟性がなくなり、怪我や痛みが出やすくなるからです。次回は私が実践している股関節、膝関節のストレッチ方法をご紹介していきます。

 

本日も最後までご覧頂きありがとうございます。

 

 

 

 

 

膝痛改善の運動

こんにちは。AGeeeeです。

 

私が住んでいる地域は先週梅雨入りしました。私にとって湿っぽい季節であまり好きではありません。しかし、私の畑の野菜にとっては恵の雨です。立ち場が変われば物の見方も変わりますね。

 

 

はじめに

前回に続き、膝痛軽減のための運動を投稿していきます。

運動は筋肉を鍛えるという事です。膝痛、変形性膝関節症の方では膝痛がない方と比較して股関節、膝関節周囲の筋力が低下しています。具体的な筋肉としては内側広筋、中殿筋などの筋力低下が多くみられます。そこで、今回は内側広筋、中殿筋を鍛える運動をご紹介していきます。

また、運動をする時にただやっていればいいわけではありません。鍛えている筋肉を意識して運動すると効果が上がると言われています。そこで、筋肉について知識を深め、効率良く筋肉が鍛えられるようになればと思います。

 

内側広筋(vastus medialis:VM)

テレビで変形性膝関節症の運動には大腿四頭筋を鍛えると良いと言われていますが正にその通りだと思います。大腿四頭筋は内側広筋、外側広筋、中間広筋、大腿直筋の四つの筋肉から構成されています。内側広筋は膝蓋腱や内側膝蓋支帯となり脛骨粗面に付着します。

膝痛の方で内側広筋が筋力低下している方は多くみられます。その中でも膝蓋骨の動き、下腿の動きにも関与がある内側広筋斜走線維(vastus medialis obliquus:VMO)が大切になります。解剖学的特徴として内側広筋の斜走線維は大内転筋から始まり、内側膝蓋支帯や膝蓋骨に付着している事が重要となります。

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                  プロメテウス解剖学アトラス第3版p487(左図)

整形外科運動療法ナビデーション下肢改定第2版P181(右図)

 

内側広筋の働き

膝関節の最終伸展時に働きます。

下腿を内側に回します(下腿内旋)。

立っている時、歩行時、階段昇降時などのknee in &toe outを抑制します。


内側広筋斜走線維に働き

膝蓋骨を内側に引き寄せ、膝蓋骨の外方偏移の抑制をしています。

Q-angleの減少を担っています。

 

歩行と内側広筋の働き

歩行時に内側広筋は踵が着いた時(IC)から足裏全体が地面につき(LR)、片脚立ちになる始め頃(MStの初期)に働きます。

膝が過度に曲がらないように衝撃緩衝し、膝関節が適正な角度になるようにコントロールしています。

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                   観察による歩行分析p67



以上のことから内側広筋が筋力低下していると膝関節のコントロールが不十分となり痛みが出てしまうと考えます。

 

内側広筋についてご理解いただけた所で運動をご紹介していきます。

 

内側広筋を鍛える運動

 

 用意する物は丸めたバスタオルです。

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セッティング(タオルを膝の下に入れて床に押し付ける運動)

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私はハムストリングスが硬い為骨盤が若干後ろに倒れてしまいます( ;∀;)

 

解説

長座位で実施するメリットがあります。

①視覚的に運動が見える為しっかり運動ができているか確認できます。

②股関節屈曲位となるので大腿直筋が緩み、二関節筋が働きにくくなります。

③片方の足は脚を広げる事で骨盤が後ろに倒れ(骨盤後傾)にくくなります。骨盤後傾してしまうと股関節が伸展してしまい、大腿直筋が働き易くなり、大内転筋が緩んでしまう為内側広筋が働きにくくなります。

④股関節屈曲位となり大内転筋が伸張され内側広筋が働き易くなります。

⑤足関節背屈も同時にするとふくらはぎ(下腿三頭筋)のストレッチになります。

⑥ 膝蓋骨の内側に力が入っているか意識しながら運動します。

  

椅子に座って実施する場合

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膝を伸ばした時に膝裏の筋が椅子に当たらない程度に椅子に腰掛けます。

丸めたタオルを膝の間に挟みます。

骨盤が後ろに倒れないようにします。

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タオルを膝で挟むように力を入れながら膝をしっかり最後まで伸ばします。

最後まで膝を伸ばした所で止めて、つま先が自分の方を向くように反らします。

そこからゆっくり足を下していきます。

  

解説

座る位置は膝を伸ばした時にハムストリングスの筋が当たって痛くないようにするためです。

骨盤が後ろに倒れてしまうと長座位の注意点と同じように大腿直筋が働き易くなり、大内転筋が緩んでしまい内側広筋が働きにくくなるためです。

 膝の間にタオルを挟むと股関節内転し、大内転筋が働き、内側広筋も働き易くなります。

内側広筋は膝の最終伸展で働く為最後まで膝を伸ばす必要があります。

伸びた状態で5秒間とめると持続的に筋肉が働く為運動負荷が高くなります。

膝が伸びた状態から膝をゆっくり下ろす方が運動負荷が高くなる為ゆっくり下ろします。

 

 

しっかり運動ができていないケース

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体が後ろに反ってる

骨盤が後ろに倒れている

 

 

中殿筋(gluteus medius)

 中殿筋は股関節の側面から後面についている筋肉です。歩行時に股関節で体重を支えるためにとても大切な筋肉です。 特に中殿筋後部線維は股関節伸展、外転、外旋に作用する為knee inの抑制に関与しています。

 

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プロメテウス解剖学アトラス第3版p512(左図)

運動療法のための機能解剖学的触診技術下肢・体幹改定第2版P155(右図)

 

 

歩行と中殿筋の働き

中殿筋は歩行時には踵が着いたとき(IC)から足裏が全部付き(LR)、片脚立ちの終る手前=もう片方の足が地面につく前(MSt)まで働きます。

特に中殿筋後部線維の筋力低下で股関節屈曲、内旋しknee inが助長されます。

中殿筋が筋力低下すると立位や歩行時に股関節内転し、膝に側方動揺のストレスがかかり易くなり、膝へのストレスが増大します。

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                  観察による歩行分析p76

 

中殿筋を鍛える運動

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下側の足は曲げます。

②横向きから少しうつ伏せに近くなるような横向きで行います。

③上側の脚を挙げる高さは床と平衡あるいは、少し上げる程度で大丈夫です。

④小指側が天井を向くようにあげます。

⑤大腿部の横からお尻側の筋肉が働いているか確認しながら実施してください。

 

解説

下側の足を曲げる事で運動時の骨盤を固定でき安定して運動ができます。

脚を斜め後ろに挙げる事(股関節伸展、外転)が中殿筋後部線維を鍛えるために良いです。

脚を前側で上げてしまうと中殿筋よりも大腿筋膜張筋という筋肉が働いてしまう為脚を前側で上げないように注意してください。

小指ではなく、親指が天井を向いた状態で上げてしまうと、大腿直筋や腸腰筋などの筋肉が働いてしまう為中殿筋の運動ではない為注意してください。

疲れてくると脚が徐々に前側になっている方、横向きではなくお臍が天井を向いた仰向けに近い状態であげている方はしっかりとした運動ができていません。

 

 

しっかり運動ができていないケース

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親指が天井を向いている

 

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脚を前方に上げている

 

 

運動回数

運動回数は最低15から20回を3セット実施してください。

運動中に息は止めないように数を数えながら運動をやってみてください。

筋肉痛が出た場合は筋肉痛が回復するまでの3日間は運動を中止してください。

 

最後に

内側広筋と中殿筋について知識が深まり、しっかりとした運動ができれば膝痛も軽減するかもしれません。そのため、中殿筋の筋力がしっかりあるかどうか認識する事が大切だと考えます。そこで、次回は中殿筋の筋力のセルフチェック法をご紹介したいと思います。

 

本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

 

階段昇降と歩行時の痛みについて

こんにちは。AGeeeeです。

 梅雨には未だ入っていませんが真夏のような気温の日が続いていますね。

夏に向けて、長男と同じ髪型にする為にオシャレ坊主に人生初めて挑戦しました。思ったより似合いました。妻には囚人みたいといわれましたが( ;∀;)

みなさんは夏に向けて何かチャレンジしている事はありますか。

 

 

 

はじめに

 変形性膝関節症の評価について再度書いていこうと思います。

歩行時の痛みと階段昇降時の膝痛には痛みの原因が違う可能性があるのはご存知でしょうか。膝関節には大きく分けて膝蓋大腿関節と脛骨大腿関節と二つに分かれています。

痛みの出る関節が異なるため痛みの原因も違います。そこで、膝の痛みの原因について解説していきます。

  

膝関節について

 

膝蓋大腿関節とは膝蓋骨と大腿骨の間の関節です。

 

脛骨大腿関節とは 脛骨と大腿骨の間の関節です。

 

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             目で見る運動機能検査法 機能解剖と評価 P220改変

 

右膝を表しています。

上側の骨が大腿骨(1と2の・がある骨)です。

 

下側の内側が脛骨(4.と5と6の・がある骨)です。

 

その外側が腓骨(7の・がある骨)です。

 

6の脛骨粗面や7は腓骨頭は下腿の回旋の指標となるので大切です。

 

青枠は膝蓋骨と大腿骨との関節が膝蓋大腿関節(patello femoral joint :PFJ)です。

赤線で囲んだ大腿骨と脛骨での関節が脛骨大腿関節(Tibial femoral joint :TFJ)です。

 

 動作観察について

動作を観察する上で理学療法士は三方向から観察しています。どの面でどのようなストレスが加わるか観察し、痛みの原因を考えています。

前額面(人を正面から見た面)

矢状面(人を横から見た面)

水平面(人を頭上から見た面)

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           運動療法のための機能解剖学的触診技術 上肢 P3引用

 

階段昇降時の痛み

階段昇降での膝痛の痛みは多くは膝蓋大腿関節の痛みが原因となりやすいです。

階段昇降は矢状面でのトラブルが原因となり易いです。

膝を曲げた状態で支える必要がある為荷重と足が踏ん張る力が必要となります。その二つの力が膝蓋大腿関節の圧迫ストレスとなり膝痛の原因となるからです。

 

膝蓋骨周りが全体的の痛み⇒関節の腫れ

膝蓋骨の下側の痛み⇒膝蓋靭帯、膝蓋下脂肪体の痛み

などの膝蓋大腿関節での痛みが原因かもしれません。 

 

特に階段を降りる時に膝痛がある方はAKPS(anterior knee pain syndrome)=

膝前面痛かもしれません。AKPSは膝蓋大腿関節における不適合性に起因するそうです。

 

・女性の方

・座っている時、立っている時にも膝前面に痛みが出やすい方

・立位の時に膝蓋骨が内側を向いている方

・X脚(knee in &toe out)を呈している方

 

などの項目が当てはまる方はAKPSの可能性があるかもしれません。

 

階段昇降でknee in & toe outが膝蓋大腿関節にどのようなストレスを与えるか説明していきます。そこで大切な指標がQ-angleにります。

 

Q-angle

膝蓋骨中央点(青点)より上前腸骨棘(黄色点)および脛骨粗面(黒点)に引いた線のなす角になります。上前腸骨棘はベルトを着ける当たりの骨盤の出っ張りの部分です。

 

    f:id:AGeee:20190601061230j:plain

    整形外科運動療法ナビゲーション 下肢 改訂第2版P147引用

 

健常成人では平均13~15度ですがknee in & toe outとなると角度が増大し、膝蓋骨を外側に引っ張る力が強くなります。

 

 

Q-angleが増大すると膝蓋骨が外側に引っ張られる力(赤丸①の力)が増大します。

 

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       整形外科運動療法ナビゲーション 下肢 改訂第2版P132 改変

 

膝蓋骨の内側の組織(内側膝蓋大腿靭帯、内側膝蓋脛骨靭帯)が伸張される為痛みが生じやすくなります。

階段昇降時に正常な膝蓋骨の動く範囲が外側にずれる為膝蓋骨が大腿骨に当たり易くなり、圧縮力が増大し痛みが出易くなります。

 

 

ここで問題です。

右図と左図で膝痛が出やすい降り方はどちらだと思いますか。

                     f:id:AGeee:20190601062800j:plain

      整形外科運動療法ナビゲーション 下肢 改訂第2版P113引用

 

正解は右図です。右側の降り方では重心線が膝から離れいる為より大きな圧縮力が膝にかかります。一方、左側の図は重心線が膝に近い所を通るので膝にかかる圧縮力が少なくなります。

 

実際に膝痛がある方は左図のような降り方を指導しています。

 

 

歩行時の痛み

歩行時に膝痛がある方は前額面上、水平面上での膝関節のトラブルがあると言えます。歩く時は荷重は階段昇降ほどかかりません。脛骨大腿関節での圧縮力や捻じれるストレスが痛みの原因と考えます。

 脛骨大腿関節の内側の痛み⇒鵞足炎、内側側副靱帯などの痛み

脛骨大腿関節の外側の痛み⇒腸脛靭帯炎、外側側副靱帯などの痛み

膝関節の奥の痛みでは前十字靭帯、後十字靭帯や半月板などの痛み

を評価する必要があります。

 

問診で歩行時と階段昇降時どちらかに痛みが限局している場合、痛みの出る場所や圧痛
のとるべき箇所を変える必要があると考えます。

歩行時と階段昇降時に両方で膝痛を訴える方も多い為矢状面、前額面での動きを観察する必要が有ります。

 

 圧痛の取る場所など詳しく知りたい方は第1回目の投稿をご覧ください。

 
 

膝がknee in & toe outでは歩行でも脛骨大腿関節にどんなストレスを与えるか説明していきます。

 

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        整形外科運動療法ナビゲーション 下肢 改訂第2版P132 改変

 

②脛骨が外側に捻じれます(脛骨外旋)

③大腿骨と脛骨の内側が離れていきます(膝外反)

④大腿骨が内側に捻じれます(大腿骨内旋)

 

②と④のストレスで水平面での捻じれるストレス

脛骨外旋ストレスで

⇒鵞足、内側側副靭帯や前十字靭帯などに伸張ストレス

 

③の前額面でのストレス

外反膝ストレスで

⇒内側側副靭帯に伸張ストレス

⇒脛骨大腿関節の外側半月板に圧縮ストレス

 

 

日本人の変形性膝関節症の方の場合はO脚(内反膝)の方が多いです。そのため、O脚で脛骨は内側に捻じれます(下腿内旋)。

膝の状態がX脚かO脚どちらかを観察する事で痛みの出やすい箇所が変わります。そのため、予測しながら評価ができるようにります。

 

スクワッティングテストの注意点

 

①スクワッティングテストの注意点の真っ直ぐ膝を正面(股関節内外旋中間位))に出す。

②脛骨回旋の程度を評価

 

スクワッティングテストについては第2回の投稿をご覧ください。

 

 先輩PTからご指導

 knee in & toe outというのは日本独自の表記と言われています。

Knee in& toe outでも大腿骨に対して脛骨粗面が内旋していればneutralでの運動になっているかもしれません。大腿骨に対しての脛骨の回旋をしっかり評価する必要があると教えて頂きました。

 

 

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Q-angleが分かるように線を引いてみました。写真の見え方かもしれませんが左図の方がQ-angleが大きくなっているように見えます。

 

足部の位置は同じでも

 

左側の図は膝が正面(股関節が中間位)でスクワットできています。下腿の外旋ストレスが加わっています。

 

右側の図は膝が外側(股関節外旋位)になってしまい、大腿骨に対して脛骨が内旋しているように見えます。そのため、Knee in& toe outでも膝内反(①の反対の力)下腿外旋(②の反対の力)ストレスが加わります。

 

 

 

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      整形外科運動療法ナビゲーション 下肢 改訂第2版P132 改変

 

 

 大腿骨に対して脛骨粗面がどの程度回旋しているか評価する必要があります。

 

 

大腿骨顆を結んだ線(赤線)に対して、脛骨粗面(青線)がどの程度回旋しているか評価していこうと考えました。

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最後に

階段昇降と歩行の痛みについてご理解いただけたでしょうか。

knee in & toe outであると膝痛が出やすいと考えます。膝はknee in & toe out であるかチェックしてみてください。

knee in & toe  out を改善するためにどんな運動をすれば次回ご紹介していきたいと思います。

骨粗鬆症について

こんにちは。AGeeeeです。

GW明けましたが5月病があまり抜けません。みなさんはいかがですか。

 

先週の日曜は大阪まで研修会に行きました。

 

骨粗鬆症について講習を聞いてきたのでお伝えできればと思います。

 

 

最近では3人に1人が運動器の疾患で介護が必要となっています。そこで、骨折リスクを高くする骨粗鬆症について知識を深めて頂ければと思います。

 

骨粗鬆症とは

 骨盤強度の低下で骨折のリスクが高くなる骨の障害

 

骨強度=骨密度(70%)+骨質(30%)

骨密度の方が強度に大きく関係しています。

立物に例えると骨密度がセメントで骨質が鉄筋です。鉄筋が錆びたり、セメントの量が少なると立物が倒れてたり、潰れてしまうのとイメージです。

 

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骨密度は骨量検査で測定する事ができます。

骨粗鬆症であると大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫になるリスクが高くなります。

腰椎や大腿骨近位部の骨量にはDXA(デキサ)が最も正確に骨量を測定できる機械です。

 踵で測定する方法はスクリーニングのため正確な骨量を測定する事はできません。

 

骨密度の数値はYAM値を見ていきます。

YAM値100%=20から44歳の骨密度

数値が高ければ骨密度が多く、低いほど骨粗鬆症が重度である判断します。

 

骨粗鬆症の薬物開始の基準

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椎体骨折以外や大腿骨近位部骨折がある方でYAM値が80%未満の方

 

椎体骨折以外や大腿骨近位部骨折がない方で骨密度がYAM値70%以下の方

 

椎体骨折以外や大腿骨近位部骨折がない方でYAM値70%以上80%未満の方

で大腿骨近位部骨折の家族歴がある方など

 

が開始基準に当てはまります。

  

注意点

変形症などで腰椎は高値になる傾向があります。そのため、YAM値が高く出易い為注意が必要です。

腰椎と股関節で数値の低い方を骨密度の指標にした方が良いです。

 

椎骨の圧迫骨折の有無を検査する簡単な方法

Wall-occiput test

Rid-pelvis distance 

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骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015より

 

 

骨粗鬆症の治療

 

3本柱があります。薬物療法運動療法、食事療法です。

今回は自分で管理ができる運動療法、食事療法について書いていきます。

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薬が最も効果高いです。しかし、運動や食事を改善しないと効果はありません。

薬をトマトの苗、運動を土、食事を水に例えると

 

高いトマトの苗を買っても、栄養分の少ない土地に植えたり、水やりをしなければトマトは育たないのと同じ考え方になります。

 

 

 

 

運動療法

 

大腿骨近位部の骨密度上昇の有効な運動

 

 

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効果ありとなしの運動の違いは

繰り返して骨への荷重負荷の刺激が入る運動かどうかです。

片脚立位運動は静止して荷重負荷の動きが少ない為効果なしと判断します。

 

歩行は一日8000歩ぐらい歩くと効果があると言われいます。いつもより、10分多く歩いたりすると良いです。

 

荷重運動

 

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 荷重運動で骨に刺激を与えると良いです。 

 

背筋運動

椎体骨折や加齢により胸椎の後弯化が進むため背筋の運動は効果的です。

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腹筋運動は後弯を悪化させる可能性がある為脊柱の動きを伴わない、頭上げ、腹式呼吸などが良いです。

 

食事療法

骨に関する栄養素も3本柱があります。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKが重要となります。

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カルシウム

骨の主要材料です。

日本人の一日カルシウム摂取量は500mgであり、一日最低800mg必要であり、カルシウム摂取量が足りていない方が殆どです。

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牛乳や魚がやはりおすすめです。小学校、中学校で牛乳が出るのはやはりカルシウム摂取をとるだと考えます。

ビタミンD

Caを腸に吸収する働きがあります。日光を浴びると皮膚で作られます。

日光浴の時間は夏場は木陰で30分、冬場は日向で1時間するとよいです。

日光浴の注意点

日焼け止めを塗ると効果ありません。手の甲はシミが出来難い為そこだけでもよいです。

ガラス越しでも効果はありません。

 

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ビタミンDを多く含む食品はサケがおススメです。

ビタミンK

Caを骨に運ぶ働きがあります。

高齢者では血中のビタミンK濃度が低下しています。血中ビタミンK濃度と骨密度には正の相関があります。

ビタミンKの摂取量が足りていない可能性が有ります。チェック表でビタミンKが足りているか、自己チェックしてみてください。

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ビタミンKを多く含む食品のおススメは納豆になります。

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ビタミンKの摂取は納豆がおススメです。

 

本日も最後までご覧いただきありがとうございます。

骨粗鬆症について少しでもご理解いただけたら嬉しいです。骨粗鬆症の検診率は最も多い県で14%であり、骨粗鬆症と自覚がない方が殆どです。

まず、お近くの骨密度を測定できる病院や整形外科クリニックに受診しご自身の骨密度を知る事が第一歩ではないでしょうか。

 

 

 

 

整形外科テストについて

こんにちは。AGeeeと申します。

 

 平成から令和になりましたね。

GWにどんどん投稿しようと思いましたが一回も投稿ができませんでした(T_T)

 

長男はお稚児を初体験し、自分の足でしっかり歩いてお稚児行事をする事ができ成長を感じました。

 

みなさんはどんなGWを過ごされましたか。

 

さて今回は疼痛の再現性を検証する為整形外科テストについてまとめます。

 

 

整形外科テスト

理学的検査とも言われ、道具を使わない検査である。

臨床においては、整形外科医に限らずPT、OTなどのコメディカルスタッフも、運動器障害の評価のために整形外科テストを応用する機会がある。

最近ではMRIや超音波画像などの画像検査技術の発達により、徒手検査はあまり行われない傾向があるように思われるが、徒手的な検査は、問診、視診、触診とともに患者様に接して行う評価であり、信頼関係を形成する上でも大切なものである。

徒手検査による評価は治療の中にあると言える。徒手検査によって症状の現れ方や部位が同定されると、治療肢位や治療方法が決定されることも多く、得られた所見を理学療法などの治療に応用できる。

よって、整形外科テストを技術習得することは、治療においても重要となる。

整形外科テスト ポケットマニュアル 臨床で使える徒手的検査法86 立ち読み/医歯薬出版株式会社

 

と言われています。 

 

整形外科テストでのポイント

 

ポイントその1

しっかりとストレスが加えることが大切です。

 

私自身しっかりストレスをかける事ができず、注意されながら評価しています。

 

ポイントその2 

左右差をみる事が大切です。

 

健側と比較しないと病態はわかりません。左右差をみるのも基本中の基本です。これは先輩PTに口を酸っぱくして何度も注意されている点です。

 

 

次は各整形外科テストについてまとめていきます。

 

膝蓋跳動(patella ballottement test :PB)

膝に痛みが生じた場合、膝蓋骨周囲の炎症を表します。

 

いわゆる、膝に水がたまっているか検査できます。

 

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運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 下肢編 p73 より引用

 

 

ポイントその1

膝蓋骨が押し返してくる程度を左右差を比較していきます。

 

私の見解だと、炎症が少ない程すぐに膝蓋骨が大腿骨や脛骨とぶつかり、硬い抵抗感を感じます。

 

反対に炎症が強く、関節内により関節水腫が溜まっていると、膝蓋骨がプカプカ浮いてるような抵抗感を感じます。

 

 

靭帯ストレステスト

外反ストレステスト

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ポイントその1

しっかり近位側を固定します。

 

近位側の固定がしっかりできないと、遠位側はどこまで動きます。そうなると、しっかりストレスが加えられず、正確な評価ができなくなります。

 

ポイントその2

遠位側はストレスがかかる方向に動かします。

 

当たり前の事ですがこれが結構難しいです。

 

私は外反ストレスなのに屈曲方向に動かし、外反ストレスが加わっていないと注意された事があります。

 

ポイントその3

エンドフィールを感じます。

 

靭帯性でどの範囲でとまるか評価する必要があります。左右差を感じて、靭帯損傷の程度も評価できます。

 

 

内側側副靭帯は伸展位、屈曲30度で外反ストレス時に痛みの有無、不安定性がないか確認します。

 

伸展位で不安定性を認める場合は複合靭帯損傷が疑われます。認めない場合は内側側副靭帯の単独損傷です。

内側副腹靭帯、前十字靭帯、内側半月板損傷を合併した場合は不幸の三徴候と言われ予後不良と言われています。

 

鷲足炎は鑑別テスト

 

鷲足(pes anserinus)とは

 

縫工筋(sartrius)

薄筋(glasilis)

半腱様筋(semitendinosus)

の3つの腱が脛骨粗面の内側に停止してくる様子がガショウの足に似ていることに由来

 

脛骨内側部の圧痛が特徴的

 

knee in & toe out のアライメントは下腿外旋し、その制動のために鷲足がブレーキとして関与します。反復される外旋ストレスにより停止腱に生じた腱症、停止腱間の間に介在する鷲足包の滑液包炎が疼痛の原因となります。

 

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 運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 下肢編 p103 より引用

  

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整形外科運動療法ナビゲーション下肢 P156より引用
 

共通点

最後に膝関節伸展させ、目的となる筋を伸張します。

 

目的とする鷲足筋が伸張し、そうでない鷲足筋が弛緩するように股関節肢位に動かします。

 

各筋群の解剖学的な走行を理解していればおのずと検査肢位が理解できると思います。

 

縫工筋を伸張させる為に股関節伸展、内転位肢位で実施します。

 

薄筋を伸張させる為に股関節外転、外旋肢位で実施します。

 

半腱様筋を伸張させる為に股関節屈曲、外転位で実施します。

 

スクワッティングテストでの疼痛評価

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 運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 下肢編 p108 より引用

 

 

 

neutral squatting

膝とつま先の向く方向が同じ方向を向いてスクワットを誘導します。

 

下腿の回旋ストレスがなく、周辺軟部組織への力学的ストレスが最も少ないスクワットと言われています。

 

toe in squatting

つま先を内側に向け膝は真っ直ぐ向いてスクワットを誘導します。

下腿外旋ストレスを付加したスクワット

腸脛靭帯炎では痛みが増強し、AKSP:膝前面痛症候群や鷲足炎などの症例では痛みが減弱します。

 

toe out squatting

つま先を外側に向け膝は真っ直ぐ向いてスクワットを誘導します。

下腿内旋ストレスを付加したスクワット

AKSP:膝前面痛症候群や鷲足炎などの症例では痛みが増強し、腸脛靭帯炎では痛みが減弱します。

 

 この評価で荷重時の痛みの再現性を確認していきます。

 

 

本日も最後までご覧頂きありがとうございます。

 

次からはこまめに投稿できるように頑張ります。